老朽化が日本を蝕む?土木インフラの老朽化と建設業が抱える問題について

皆さん、こんにちは。神奈川県川崎市を拠点に公共工事をメインに土木工事・舗装工事・上下水道管工事などを手掛けている加藤土建株式会社です。


当社では、「加藤土建なら安心」という言葉を原動力にして、刻んできた歴史を大切にしながら未来へのつながりも想像し、業界のリーダーであるという自覚を持って責任ある施工を行っております。さてそんな当社が今回取り上げるテーマは「土木インフラの老朽化と建設業の抱える問題」です。土木インフラの老朽化の現状を見ながら、今後の建設業界の課題を考えてみます。


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■なぜ土木インフラの老朽化が騒がれるようになった?

最近、土木インフラの老朽化が騒がれるようになってきました。なぜなのか、理由を探ってみるとともに、老朽化の代表的な例を見てみましょう。



・高度経済成長期のインフラ建設ラッシュによる大量の施設の老朽化

高度経済成長期と言われた1960〜1970年代にかけて、日本の各地で道路、橋梁、トンネル、ダム、上下水道管などのインフラが次々と建設されました。当時から経過すること50年以上、これらの施設の老朽化が急速に進んでいます。



・財政難によるインフラ整備・維持管理の予算不足

古い施設でもメンテナンスや修繕を行うことで老朽化を遅らせることができるのですが、ここで日本に大きな問題が生じました。バブルの崩壊を受けて、長期的な経済低迷状態が続き、地方自治体を中心に財政難が深刻化したのです。財政難になると、インフラの整備や維持管理に十分な予算を割くことが難しくなります。それがインフラ施設の老朽化に拍車をかけることになったのです。



・老朽化の代表的な事例

日本のインフラ施設の老朽化の代表的な事例があるので、いくつか取り上げてみましょう。


笹子トンネル天井板崩落事故(2012)

インフラ老朽化の問題が社会的に大きな注目を集めた事故がありました。笹子トンネル天井板崩落事故(2012)です。2012年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故では、トンネルの上部に吊り下げられていた天井板が約140mにわたって崩落。その結果、走行中の車に乗っていた9人が命を落とすという痛ましい事故になりました。事故の原因は、吊り下げに使われていたアンカーボルトの劣化調査を、12年にわたり目視だけで済ませていたことだと言われていますが、老朽化の調査が十分に行われていなかったのでしょう。


JR博多駅前道路陥没(2016)

2016年11月8日午前5時15分頃、掘削中の地下トンネルの天井部分が一部崩れ、博多駅前で市道が幅約27メートル、長さ約30メートル、深さ約15メートルにわたって陥没しました。不幸中の幸いで、作業員は避難しており、巻き込まれた人もいず、人命被害は発生しませんでした。それでも大きな事故であることは確かです。原因としては、「トンネル上部の岩盤層の厚さが、想定より薄くなっている箇所があった」「岩盤層の内部に小さな断層や多くの亀裂があったことにより、地下水の水圧に岩盤が耐えられなかった」などとされていますが、これもインフラの老朽化によるものだとも考えられます。この事故以降、インフラの老朽化懸念も高まりました。




■老朽化の現状

インフラ老朽化の現状がどうなっているか、考えてみましょう。国民の命と暮らしを守り、安心・安全な社会活動を維持していくためには、適切なインフラ整備が欠かせません。しかし、多くの日本のインフラは高度経済成長期以降に建設され、今後建設から50年以上を迎える設備も加速度的に増えていく見込みです。そのために、老朽化の不安が高まっているのです。防災・減災に重要な役割を果たすインフラでも事情は同じ。高度経済成長期以降に建設された設備がドンドン老朽化していきます。このように様々なインフラ設備が加速度的に老朽化する状況下にあっては、維持管理・更新を計画的かつ適切に進めていくことが非常に重要になっています。




■土木インフラの老朽化を建設業界はどう思っている?

土木インフラの老朽化という事態に対して、建設業界はどう思っているのでしょうか。また、建設業界で働いている人は建設業界に何を期待しているでしょうか。


建設業界で3年以上働いている方を対象にアンケートが実施されました。質問内容と回答内容を見てみましょう。「これからの建設業界に期待していることを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『インフラの整備(再整備)(50.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『公共事業の活発化(39.8%)』『建設業界のICT化(33.3%)』『AIなどの活用による人手不足の解決(22.9%)』『テレワークなどの働き方の変化(13.9%)』と続きました。『インフラの整備』という回答が1番多く、建設業界はインフラの整備に力を入れるべきと考えている人が多くいることが分かります。『インフラ整備(再整備)』や『公共事業の活発化』は、景気の刺激策になるという意見もありました。このように建設業に携わる人は建設業界に多大な期待を寄せています。


参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000048195.html




■建設業にとっての課題は?

これからの建設業にとっての課題を考えてみましょう。インフラ老朽化の進行を受けて、修繕や改修など適切な維持管理が求められるようになっています。しかし、現在の建設業界は人手不足の状態です。さらに、老朽化したインフラ設備の状態を判断するのも容易ではなく、単に人手不足を解消するだけでなく、問題に専門的に対処できる人材も確保しなければいけません。インフラの老朽化のチェックは、目に見えるひび割れや摩耗だけを見るだけでは十分ではなく、視覚化されない劣化状態も確認する必要があり、高度な技術と経験も要求されます。そのため、ただ人材を集めればいいということではなく、インフラ老朽化に対応できる知見や経験を備えた技術者を確保しなければいけないのです。今後は国と建設業界が協力し、投資や専門人材の交流など様々な形でインフラ整備を推進していくことが大切になってくるでしょう。




■まとめ

今回は、インフラの老朽化問題と老朽化に対する建設業界の課題などを取り上げてみました。高度経済成長期以降に建設された日本の多くのインフラ施設では、老朽化が進行しています。今後このように老朽化した施設をどのように改修・維持していくべきかを考えることが国と建設業界の責務です。少しでも適切に対処されるように期待しましょう。


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